【今日のポイント】

「相続税、合法的に安く出来ませんかねえ~」
主な相談事の話が山を越えた後に
このつぶやきを最近よく耳にします。

グレーゾーンを排除した
正々堂々の相続税節税の方法とは?

 

【生前贈与のメリット】

 堅実さで右に出るものがいないといえば、
贈与にとどめを刺します!

贈与の場合のメリットには

・自分の意思で分け与える財産が決められます。
・贈与の結果を自身の目で確認が出来ます。
・自分の意向で贈与する人物を選べます。

 

 相続の場合、法定相続分、遺留分といった
制約から必ずしも自分の意向が100%
反映されることがない場合があります。

遺言で子や孫に無駄使いを戒めていても
自身でその結果を知ることが出来ませんし、
注意することも出来ません。

 単に相続税節税といった税制面のメリット
だけではない心情的なメリットに共鳴する、
そういう方も多いと思います。

 

【生前贈与の早期活用】

 正しくは暦年贈与の早期活用です。

暦年贈与とは、1年当たり1人につき
110万円までの贈与は非課税とする。
制度のことです。

 さらに、贈与は法定相続人に限られません。
前項で書いたように自分が贈与したい人物に
贈与することが可能なのです。

 気付いた方も多いでしょうが、相続の場合
子供の配偶者には相続権がありません。
老後の面倒を親身にみてくれた長男の嫁であっても
相続の面からは何ら今までの苦労に報いる方法は
なかったのですが、贈与であればそれが可能になります。

 
 年間の贈与非課税枠が決められていますから
当然「早期に始める」ことで長く贈与を続けることが出来ます。
「塵も積もれば、」ではないですが、長期間継続すれば
相続財産を着実に、非課税で、引き継がせることが出来ます。

 

 では、既にある程度の年齢に達している場合はどうでしょう?
子供が40代、50代となっていれば贈与を継続できる期間も
そう長くはないと判断出来ます。

 その場合にも、先の相続人以外に、自分の意向で、
何名にも贈与することが出来るメリットを活用するのです。

子供が結婚し、家族を持っているならば、
配偶者とその子供(=孫)に110万円の贈与をすればいいのです。

子供と配偶者、その子供が2人いれば、110万円×4で年440万円、
10年継続できたとすれば、4,400万円が分与出来ることになります。

 手持ちの相続財産が預貯金や現金が主の場合、
歴年贈与を状況に合わせて活用することが
安心、堅実な相続税節税の一つといえるでしょう。

 但し、この贈与方法にも注意点があります。

 

【暦年贈与と連年贈与】

 毎年、非課税枠の100万円を10年間贈与した。

 表面上は同じでも、その内容によって
課税対象にある場合があります。

 毎年親子間で「今年も100万円を贈与する。」
「ではよろしくお願いします。」というように
その都度贈与額を双方で合意し、たまたまそれが
毎年同じ額の場合は「暦年贈与」といい、
これは基本的に問題にはなりません。(後述)

 「1,000万円を生前贈与する、10年間分割の態で
年間100万円にすれば、非課税になる。」

これは「連年贈与」とみなされ、
最初から1,000万円の生前贈与ありきとなり
表面上分割して贈与しているだけであって
全額1,000万が贈与税の課税対象とされます!

 「暦年贈与」の場合でも
「贈与に関して双方の合意があった」ことを
証明しなくてはいけません。

その為には、毎年親子間で贈与契約書を取り交わす
ことで、一括贈与の分割払いの疑いを払しょくする
備えが必要になります。

 なかには、良かれと思って
子や孫に内緒で口座を開設し、
毎年贈与分として100万円を振り込んでいた場合、
親子間に贈与の認識が共有されておらず、
証拠となる取り交わしもない訳ですから
確実に「贈与税課税」の対象になります。

 後々、疑いを持たれないようにするのであれば、
契約書はもちろんですが、毎年の贈与額を変動させる
やり方も効果的と思います。

昨年は110万円、今年は100万円、来年は110万円…
または贈与の日付を毎年変えるなど等…
微妙に変えることで、連年贈与の疑いを避けるのです。

 あるいは、微々たる贈与税納付をすることで
確実に贈与の証拠を残す手もあります。

今年は120万円の贈与とし、超過分10万円は
贈与として正式に申告、納付するのです。

10万円に対しての贈与税の料率は10%なので
1万円です。~1万円で120万円が堂々と贈与できる

一種の必要経費として考えれば
このようなやり方も安心・堅実な節税方法と
いえるのではないでしょうか?

 

【不動産活用での節税】

 相続財産に不動産が含まれている場合、
これは贈与という手段は取り難いものですね。

 最近はアパートやマンションを建てて
賃貸物件にすることで土地の評価額を
下げるとともに、家賃収入も得ることが出来る。
といった一石二鳥の節税方法が目立っています。

 簡単に説明しますと
貸家を土地に建てた場合の評価額は
土地の路線価×(1-借地権割合×借家権割合)で
算出します。

概ね借家権割合は30%と考えていいので
借地権割合によっては路線価の8掛け程度の
評価額となります。

ちなみに路線価は時価の約8掛けとなっています。
単純にみれば路線価の約6掛けの評価額
にまで圧縮出来るのです。

固定資産税も
固定資産評価額×(1-借家権割合)で
評価額を下げることになります。

 

 とはいえ、ここにも落とし穴があります。

 賃貸物件を建てたものの、
見込み違いで入居者が集まらない、
その後入居者は集まったものの
想定家賃を大幅に引き下げる羽目になり、
収入も返済計画も大きく狂いを生じ、
日常生活にまで支障をきたすようなリスクも発生しています。

 

 相続税節税は叶ったものの、
毎月の赤字に苦しむ日々の生活と引き換えでは
全く割に合わないものです。

 このほか、孫の教育資金一括贈与や
子や孫の結婚資金一括贈与等の贈与税非課税の
特例は近年拡大の傾向にあります。

ですが、肝心の子や孫がこれらの特例の
適用を受けられる条件下にあるかどうか? 

既に子供が50代の場合、その子供世代
即ち孫世代も、もう社会人でしょう。
教育の機会も、結婚も、既に「済み」
のケースが多いのではないでしょうか?

 仮に末っ子がこの条件に該当する場合でも
今度は他の子供(兄・姉など)からの
「不公平感からくる」反発は必至です。

 さらにこれらは贈与の目的が
極めて限定された内容とされています。

異なる使用目的が発覚した場合には
相応の処分を覚悟しなくてはいけません。

 

 ここでは一般的な事例を基に紹介してきました。
個人のケースについて詳しく知りたいという場合は
必ず専門家に相談して、確認するようお願い致します。